手間と時間がかかる毎日の検温を、無意識に変えるプロダクト。 入退室記録も、もっとスマートに。
昨今の新型コロナウイルス感染症で、多くの人は日々の体調管理の徹底を余儀なくされている。 また会社や学校によっては、体温の計測記録を提出することを求められるが、体温の計測は非常に忘れやすい行動の1つである。
私たちは、そんなユーザの日々の体温を自動的に計測し、管理してくれるプロダクトがあれば、毎朝の手動検温や入室前検温の手間を減らすことができるのではないかと考え、このプロダクトを作成した。
また、自動的に検温したデータを入室時に参照することにより、当日の体温だけでなく、感染症潜伏期間といわれる14日間のデータの体温から、入室可否を現地での検温なしに判断することができるではないかと考えている。
なお、プロダクト名である『ReCOVery』は、《Record》、《COVID-19》、《Everyday》の3つの単語を組み合わせ、「無意識のうちに、毎日体温を記録するデバイス」という意味が込められている。
- 体温計は事前にBluetooth Low Energyを使用して専用アプリに登録しておきます
- ユーザはデータを自動送信する体温計を使用して、日々の体温を計測します
- チョーカー型体温計(首に着用するタイプ)
- BLE通信機能付き体温計(脇に挟んで計測するタイプ)
- 事前に専用アプリからIC(NFC)カード(交通系ICカードや学生証)を登録します
- 管理者から共有されるリンクを使用して、入室申請を送信します
- 管理者より入室の許可を受けます
- 部屋に設置されている専用カードリーダにICカードをかざします
- 事前に専用アプリから専用カードリーダをセットアップします
- 入室申請リンクをユーザに共有します
- ユーザから受信した申請を許可・拒否します
作成した『ReCOVery』は、入室時にICカードをリーダにかざしたタイミングで、クラウド上に保存されているユーザの体温ログを14日分照会し、 設定された体温のしきい値を超えていなかったかを確認し、その場で入室可否を判定しアラートを送出する。
また、ユーザは事前に専用アプリから日々の検温ログを確認することができ、 一定時間しきい値を超えた体温を計測した際にも、事前にアプリより通告することが可能である。
BLEを搭載した体温計測デバイスを使用することで、自動的に体温を計測・記録。 計測された体温は、BLEを通じてスマートフォンの専用アプリに送信されます。
専用アプリ上で、「検温したデータ」「部屋への入室申請」などが全て完結。 計測したデータを手動でフォームに送信したり、メールなどで入室の申請を送る手間が全て省けます。
入室時に体温計測を実施する場合、入室するまでに時間がかかったり、顔の表面の体温を計測する機器が高価であったり、非常にコストがかかってしまいます。 このデバイスでは、日常的に使うICカードを使用することで、入室時にかかるコストの削減を行うことができます。
新型コロナウイルスにより、これまで特定の場所に入室・入構する際には、事前の検温が必要とされてきた。 また、商業施設などでは、事前の検温を確認する方法がないため、その場での検温を行う必要があったりと、コストも非常に高いものであった。 ReCOVeryでは、『意識して』検温を行う点に注目し、『無意識』に検温することができ、ユーザや管理者にとっての手間が大幅に軽減されることを想定している。
検温デバイスに加え、専用アプリの開発や入室時の専用カードリーダの作成など、非常に規模が大きいプロダクトとなったため、 期間内に全てを結合して動作させることができなかった。 それぞれの完成度は高いため、今度結合して1つのプロダクトとして動作するように改善していきたい。
- チョーカー型体温計測デバイス
- 入室時用専用ICカードリーダ
- Flutterを使用した専用アプリ
- BLE(Bluetooth Low Energy)
- NFC
- Wi-Fi
- REST API
- IoT(センシングデバイス)
- AWS lambda
- AWS Gateway
- AWS S3
- AWS cognito
- AWS RDS
- AWS IoT
AWS系のデータフローは以下の画像の通りである。
- Flutter
- Arduino
- arduino-esp32
- 赤外線温度センサ TMP006
- BLEモジュール ISP1507
- NFCモジュール RCS620S
- Flyway
- AWS EC2
- Go
- arduino-esp32
- スマートフォン(iOS,Android)
- 体温計測デバイス
- 首に巻いて自動的に体温を計測するチョーカー型デバイス (hardware/choker)
- 部屋の入り口に設置しICカードリーダを読み取るIoTデバイス (hardware/RoomTerminal)
- Flutterで動作する専用アプリ (front)
- Go言語でAWS lambdaを使用したAPI (backend)